|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
番号 |
2 |
|
HIT |
27228 |
|
タイトル |
ステロイドについて |
|
内容 |
ステロイドという言葉をよく耳にされると思いますが、正式名称は副腎皮質ステロイド薬といいます。副腎皮質とは、左右の腎臓の上に位置する副腎という臓器の一番外側の部分です。ここから分泌されるのが副腎皮質ステロイドホルモンであり、人間の体にさまざまな侵襲が加わったときに体調を調節したり、また炎症や免疫の働きをおさえたりする非常に強い作用があります。ステロイド薬は、このホルモンの効果を強力にしたものです。
ステロイド薬には、内服薬・注射薬・吸入薬・外用薬などさまざまな形態があります。ステロイド薬には非常に強力な免疫抑制作用があり、膠原病をはじめとする全身性の疾患には内服薬や注射薬を使用します。内服薬や注射薬はその効果が全身に及ぶため、相当量を長期間使用するとさまざまな副作用が出現します。代表的なものとして、顔が丸くなる、手足の筋力が落ちる、骨が脆くなる、血糖値が上がる、胃潰瘍になりやすくなる、などがあげられます。
吸入ステロイド薬は、現在の喘息治療の中心となっています。吸入薬は全身に吸収されることがほとんどなく、その代わり気管の中にはステロイドとしての効果が存分に作用し、喘息患者さんのアレルギー性の炎症を強力におさえます。ゆえに非常に有効かつ安全に使用できる薬といえます。ただ喉の荒れ、声のかすれ、口腔内のカビなど局所の副作用が出ることがありますので、使用後にうがいをすることが重要です。代表的な吸入ステロイド薬の種類については、「病気について」の「喘息」項を参照してください。
アトピー性皮膚炎の治療には、ステロイド外用薬を使用します。外用薬といわれる塗り薬は皮膚患部に直接作用し、皮膚から吸収されても全身に入る量は微量です。ステロイド外用薬には、その強さによって5段階のランクがあります。
1群:最強 (strongest)
デルモベート
ジフラール、ダイアコート
2群:とても強い (very strong)
フルメタ
アンテベート
トプシム
リンデロンDP
マイザー
ブデソン
ビスダーム
テクスメテン、ネリゾナ
パンデル
3群:強い (strong)
エクラー
メサデルム
ボアラ、ザルックス
アドコルチン
ベトネベート、リンデロンV
プロパデルム
フルコート
4群:弱め (medium)
リドメックス
レダコート、ケナコルトA
ロコルテン
アルメタ
キンダベート
ロコイド
デカダーム
5群:弱い (weak)
プレドニゾロン
コルテス
治療に際しては、炎症がおきている部位や程度、患者さんの年齢などを考慮して、適切なランクのステロイド外用薬を選びます。ただ5群の薬は非常に効果が弱く、通常は4群以上の薬剤を選択します。基本的に乳幼児は、成人より1ランク弱めの薬を使います。また原則として、皮膚が厚くてなかなか塗った薬が吸収されない手足には強めを、皮膚が薄くて副作用の出やすい顔面には4群程度の薬を選択します。ステロイド外用薬の副作用としては、毛細血管の拡張や皮膚の萎縮などがあります。またアトピー性皮膚炎に合併しやすいとびひ・ヘルペス・水イボは、ステロイド外用薬により悪化します。ゆえに漫然と塗り続けるのではなく、症状に応じてメリハリをつけた正しい使用が重要です。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
△ ページトップへ |
|
|
|
|
|
|