|
肺・気管支の炎症 |
|
肺炎や気管支炎をおこすさまざまな細菌・ウイルスなどにより、咳症状をおこします。特に長引く場合の代表的な原因として、以下のものがあげられます。 |
|
マイコプラズマ |
ある生活地域に、周期的に発生します。小児から若年者に多く、 60 歳以上の高齢者は少ない特徴があります。痰はほとんど出ないにもかかわらず咳が激しいのが特徴で、肺炎のほかに髄膜炎などをおこすこともあります。 |
|
百日咳 |
最近では、予防注射を受けていても、百日咳にかかる患者さんが増えています。また百日咳は小児特有の病気と思われがちですが、成人でも百日咳の患者さんが少なからず存在します。最初は風邪症状から始まり、数日のうちに激しい咳が出始めます。咳はコンコンと激しく続き、乳幼児では無呼吸発作をおこすのが特徴です。 |
|
RSウイルス |
3歳以下の小児に多い呼吸器感染症です。気管支の末梢の細気管支と呼ばれる部分に炎症がおこり、呼吸困難が出現してきます。原則として、入院治療が必要です。乳幼児期にこの細気管支炎にかかったあとは、喘息を発症しやすくなることがわかっています。 |
|
結核 |
結核は過去の病気と思われがちですが、その数はむしろ増加しており、今も年間2〜3万人の新しい感染者が出ています。糖尿病などの持病がある人や大酒飲みの人などへの感染がよくみられますが、健康な人がかかることも希ではありません。長引く咳の他に、微熱・寝汗・血痰などの症状を認めます。小児期に、結核の免疫であるBCG接種をきちんと受けさせることが重要です。 |
|
感染後咳嗽 |
|
風邪をひいたあと、喉の痛みや鼻水などの症状はみられなくなっているのに、咳だけ長引くことがあります。感染後咳嗽とよばれるもので、ウイルス感染症の後によくみられます。気道に入ったウイルスによって気管の粘膜が障害され、その刺激により咳が出やすい状態になると考えられています。通常の咳止めにより症状は軽くなり、多くの場合1ヶ月以内に良くなります。 |
△ ページトップへ |
咳喘息 |
|
喘息の項を参照していただければわかるように、喘息とは気管が狭くなってゼーゼー・ヒューヒューする病気です。ところがゼーゼー・ヒューヒューしないかわりに咳だけ続く、咳喘息という病気があります。風邪をひいた既往もないのに咳だけがずっと続き、通常の咳止めがほとんど効かないという特徴があります。喘息と同じように気管の炎症が原因となりますが、通常の肺機能検査では喘息発作時のような異常がみられず、診断には気道過敏性検査という特殊な検査が必要になります。喘息に準じた治療をすることで、症状は良くなります。 |
|
後鼻漏 |
|
アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎があると、鼻汁が喉の後ろに垂れることによって長引く咳の原因になることがあります。小児ではゼーゼーなどの症状がみられることもあり、喘息といわれて治療をしているにもかかわらず、咳が良くならないときは、後鼻漏を疑う必要があります。抗生物質・抗ヒスタミン薬・去痰薬などを組み合わせて2週間くらい投与すると、症状は改善します。 |
△ ページトップへ |
逆流性食道炎 |
|
頻度は少ないのですが、胃酸が食道に逆流することで喉の粘膜が荒れ、その結果咳の原因となることがあります。咳の他に、逆流性食道炎の特徴である胸やけ症状があります。胃酸の分泌をおさえる薬を投与することにより、症状は良くなります。 |
|
肺がん |
|
成人の長引く咳で、必ず念頭においておかなければいけないのが肺がんです。ヘビースモーカーの人は、特に要注意です。肺がん検診のために、症状がなくても年に 1 回は胸部エックス線検査を受けることが推奨されます。 |
|
△ ページトップへ |
|