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番号 |
4 |
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HIT |
21804 |
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タイトル |
減感作療法って何? |
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内容 |
アレルギー疾患で使用する内服薬・点鼻薬・点眼薬などは基本的に症状を抑えるだけの治療であり、根本的にアレルギーを治すという治療ではありません。現在世界的に認められている唯一の根治療法は、減感作療法です。減感作療法とは原因となるアレルゲンの注射を少量から徐々に増量し、原因抗原に対する体の反応性を低下させる方法です。減感作療法が最も適応となるアレルギー疾患は、アレルギー性鼻炎や花粉症です。現在日本では手に入る治療用エキスの種類が限られているため、日常診療で行われる減感作療法はほとんどハウスダストかスギに限られているのが現状です。ハウスダストは住居のホコリで、その中のアレルギー抗原の7割をダニが占めると言われていますが、ハウスダストエキスは製品間の濃度が一定せず、またダニ抗原もどの程度含有されているのかわからないという難点があります。ただ他に代替品がなく、このエキスを使用せざるを得ないのも事実です。一方スギエキスは溶液内の抗原濃度が決まっている国内唯一の標準化製品です。
以下に減感作療法施行の詳細を述べます。
1. 抗原の決定
患者さんの症状から、アレルギーの血液検査や皮膚テストを行い、原因となるアレルゲンを決定します。
2. 開始濃度の決定
原因抗原が決まったら、抗原エキスを10倍ずつ薄めた希釈液を段階的に作製し、それぞれの濃度の皮内反応を行います。皮内反応で陽性となる最も薄い濃度のさらに1/10の濃度を開始濃度とします。
3. 投与スケジュール
開始濃度の0.05mlから皮下注射を開始し、当初は1〜2回/週で徐々に濃度を上げていきます。
開始濃度 0.05ml→0.1ml→0.2ml→0.3ml→0.4ml→0.5ml→
10倍濃い濃度 0.05ml→0.1ml→0.2ml→0.3ml→0.4ml→0.5ml→
100倍濃い濃度 0.05ml→0.1ml→0.2ml→0.3ml→0.4ml→0.5ml→
・・・→・・・→・・・→・・・→・・・→・・・→・・・→
濃度を上げていくと、あるところで注射部位が数cm赤く腫れるなどの徴候がでてきます。その場合はその濃度を維持量として1回/月の頻度で注射を継続し、開始してから2〜3年は続けるのが望ましいとされています。その後中止して良いかどうかの明確なデータはないのですが、経験的には中断すると獲得した抵抗力が落ちてくるような印象です。
減感作療法は、とにかく患者さんの根気がいる治療法です。ハウスダストに関しては5〜6割、スギでは7〜8割の患者さんで効果を認めます。また医療機関の中には、スギ花粉飛散のシーズン前に1回注射を打って花粉症を予防するという治療を行っている施設があります。これは強力なステロイド注射を使用していると推測され、アレルギー専門医の間ではいっさい推奨されていません。確かに効果は良いのですが、ステロイドによる深刻な副作用が予想され、特に小児への投与など全くもってして論外です。減感作療法とは全く種類の異なるものですので、注意が必要です。
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