|
番号 |
4 |
|
HIT |
23909 |
|
タイトル |
アメリカの抗原液を使った減感作療法について |
|
内容 |
Q: スギ、ダニ、カビ等に強いアレルギーがあるアレルギー患者です。減感作療法をしたいのですが、先生も書かれているとおり、日本には十分な種類の抗原液がありません。保険適用外でかまいませんので、アメリカの標準化されたダニの抗原液等も使って治療をしていただくことは可能でしょうか。 30歳 女性
A: ダニに関してですが、いわゆるハウスダスト中のアレルゲンの80〜90%はダニだと言われ、残りの10〜20%の部分にゴキブリ・ガなどのアレルゲンが含まれます。本来はダニアレルギーの患者さんには標準化されたダニアレルゲンを使用するべきなのですが、日本にはハウスダストのエキスしかなく、標準化されていないため製品番号によってダニの濃度がまちまちという難点があります。ただダニアレルギーの患者さんはほぼハウスダストアレルギーも有しており、当院でもこのエキスを用いてアレルギー性鼻炎の患者さんの治療を行っていますが、皆さんそれなりに症状は改善しています。米国の標準化エキスを取り寄せて保険適応外で減感作をすることは可能ですが、自費診療は患者さんの大きな負担になりますので、アレルギー症状や検査の結果にもよりますが、ハウスダストのエキスでもそれなりに効果が見られそうであれば、本邦のハウスダストと輸入のダニのどちらのアレルゲンを使用するかは相談してからで良いと思います。カビの減感作に関しては、①カビの種が数百とも数千とも言われていること、②大部分のカビでの曝露状況に対する正確な情報が不足していること、③カビそのものの性質によりによりカビ抽出液の質が不安定なこと、④適切な培地がないことから多くのカビ種抽出液が作成困難なこと、などさまざまな問題があり、本邦も含めて世界的に一般的ではありません。スギのエキスは国内で標準化製品がありますので、特に問題ないと思います。 |
|
|
|
|